京都精華大学大学院公開報告会「マンガの異文化」開催のお知らせ

京都精華大学大学院マンガ研究科博士後期課程1年報告会
「マンガの異文化」
が下記の通り開催されます。
どなたでも参加可能です。

日時 2017年1月28日(土) 13:30 ~17:00
会場 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー6
参加方法 事前申込不要
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です

京都精華大学での掲載サイトはこちら 


プログラム

1. 李 岩楓「日本マンガの翻訳版におけるオノマトペ:中国語訳を中心に」
2. ジャクリーヌ・ベルント(マンガ学部 教員)「マンガスタイル:国境を超えるのは純粋な『形式』なのか?」
3. スラヤ・マドシナル「ヒシャブ姿の女性:マレーシアのマンガ系コミックにおけるキャラクター造形をめぐって」

発表者紹介

1. 李 岩楓
<研究概要>
「日本マンガの翻訳版におけるオノマトペ:中国語訳を中心に」
1990年代から中国に日本マンガが普及し始め、年々増えてきたその需要に対応したのは主に海賊版だったが、近年、正規出版もますます重要になりつつある。特に後者にあたり、マンガ作品の内容が正しく翻訳されているかが、出版社にとって大きな問題の一つである。中国で日本文学の翻訳は長年の歴史があるが、その経験を、視覚的物語であるマンガの翻訳には必ずしも適用できない。日本マンガの翻訳者は、例えば、オノマトペという描き文字の表現に携わる際、独創性を活かす必要がある。この独創性への期待は、マンガの翻訳に多面的な困難さをもたらす。本報告では、1981年に中国に輸入された「鉄腕アトム」を出発点に、マンガのオノマトペ翻訳をめぐる問題を時代ごとに分析し、オノマトペ翻訳の可能性を検証する。

2. ジャクリーヌ・ベルント(マンガ学部 教員)
<研究概要>
日本のマンガは国境を越えて世界的に普及するにつれて、その翻訳版に加え、海外の地元の作家によるMANGAもますます制作されるようになってきた。それらがMANGAとして認識されるほど、日本マンガの表現の諸要素を採用しているという現象は、近年「マンガスタイル」(藤本由香里の科研費など)、あるいはニール・コーンのいう「マンガなどにおける日本の視覚言語」という名の下で論じられている。しかし、国境を越えるのは純粋なスタイルなのか。マンガをスタイルとして純化してしまうのは近代主義的フォーマリズムを繰り返すことになるのではないか。つまり、マンガをスタイルとして把握するのにはいかなる可能性と限界があるか。本報告は、日本人でないマンガ家の作品を具体例にその問題群を追究する。

3. スラヤ・マドシナル
<研究概要>
「ヒシャブ姿の女性:マレーシアのマンガ系コミックにおけるキャラクター造形をめぐって」
マレーシアのコミック作品において、ヒジャブを被る女性キャラクターは文化的アイデンティティの印の一つとして機能している。日本マンガがマレーシアのコミック市場で人気を集める前に、そのようなキャラクターは主人公にならず、従順で恥ずかしがり屋として描かれることが多かったが、マンガは、マレーシアのコミックにおける女性像に大きな変化をもたらした。『セーラームーン』や『GS美神』の人気を背景に、マレーシアの女性マンガ家達は、イスラム規則に従いながら個性を発揮して自己主張を行う強い女性主人公を描くようになってきた。本報告では、まず、作品での表象に注目し、1960年代以降のマレーシア・コミックにおけるマレー人、特にヒジャブを被る女性キャラクターの表現を歴史的に概観する。次に、男性中心であるマレーシアのコミック業界で活動している女性漫画家達の側面から、作中のジェンダー表現を考察する。その際、1970年代のCabaiや1990年代のLeenMafia、2000年代以降のSarah Joan MokhtarとJon Suraya、さらにKomik-M社の若手作家たちを例に挙げる。彼女らの作品を通して、マンガは、いかにムスリム女性の新世代を表現したり励ましたりしているかを提示する。最後に、男性漫画家による同時代の作品と比較対照しながら、「マンガとジェンダー」との関係を確認する。


問い合わせ先

京都精華大学 教務課(マンガ研究科)
Tel:075-702-5262

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