京都精華大学 人文学部 学生研究展示 「妖怪マンガと伝統観念」展

京都国際マンガミュージアム

現代マンガの中に息づいている、日本人の宗教観念をさぐる !
京都精華大学 人文学部 学生研究展示
「妖怪マンガと伝統観念」展

 京都国際マンガミュージアムでは、現在開催中の特別展「妖怪天国ニッポン-絵巻からマンガまで」の関連イベントとして、日本人の伝統的な宗教観念が現代の妖怪マンガに与えた影響についての研究展示を開催いたします。『現代語で読む「江戸怪談」傑作選』(祥伝社新書)など妖怪研究で知られる堤邦彦氏の指導のもと、京都精華大学人文学部堤ゼミナールの学生が企画・制作したもので、マンガの学術的な研究の一例を示すとともに、マンガの教育活用の可能性についても知っていただけます。

会場京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー3
開催期間 2009年7月27日(月)~8月2日(日)

※8月2日(日)は午後5時にて終了・会期中は無休

入場料 無料

※ミュージアムへの入場料は別途必要です

展示内容

妖怪を扱った現代のマンガ作品の中に、伝統的な怪異観や宗教観念が受け継がれ、息づいている事例を、解説文と作品図版または作品の出版物で紹介します。

取り上げる作品[作品名五十音順]

犬夜叉(高橋留美子)、うしおととら(藤田和日郎)、

陰陽師(岡野令子・夢枕獏)、怪異いかさま博覧会(小竹田貴弘)、

地獄先生ぬ~べ~(真倉翔・岡野剛)、どろろ(手塚治虫)、

墓場の鬼太郎(水木しげる)、百物語(杉浦日向子)、

ホテル・ハイビスカス(仲宗根みいこ)、×××Holic(CLAMP)、
蟲師(漆原友紀)、モノノ怪(東映アニメーション)、

八雲百怪(大塚英志・森美夏)

主催:京都精華大学人文学部、京都国際マンガミュージアム

 水木しげる、楳図かずおをはじめ、多くのマンガ家たちが「お化け」をテーマとする作品を世に出したことは、日本マンガ史の歴史的事実と言っても差し支えないでしょう。今回の展示では、今日の妖怪マンガに見え隠れする古い時代の怪異観や宗教意識の残像をあばき出し、現代の作品が内包する<伝統>を掘り起こすことに力点を置きました。 わたしたちの身の回りに散らばるホラー映画、アニメ、マンガは、昔の人々が思い描いた不思議な事象とどのようにつながっているのでしょうか。学生達を魅了してやまない作品のひとつひとつを実例として、怪談好きの日本人の心の歴史をひもといてみたいと思います。

堤邦彦(つつみ・くにひこ)氏プロフィール

1953年東京生まれ。京都精華大学人文学部教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。専攻は近世国文学。著書に、『女人蛇体』『寺社縁起の文化学』(共編)『近世仏教説話の研究』『江戸の怪異譚』『江戸の高僧伝説』『現代語で読む「江戸怪談」傑作選』などがある