竹宮惠子監修 原画’(ダッシュ)展示シリーズ
ダッシュ

もうひとつの原画展 東浦美津夫・飛鳥幸子・ささやななえこ・忠津陽子

 2020.10.29 2021.4.6
 2020.10.29 2021.4.6

主 催 京都国際マンガミュージアム / 京都精華大学国際マンガ研究センター
協 力 トランキライザープロダクト

展⽰概要

退色等劣化しやすいデリケートなマンガ原稿の保存と公開を両立させるべく、マンガ家の竹宮惠子と京都精華大学国際マンガ研究センターが共同で進めてきた原画’(ダッシュ)プロジェクト。2021年で20周年を迎えることを記念し、東浦美津夫・飛鳥幸子・ささやななえこ・忠津陽子4名の原画を元にした新作原画’(ダッシュ)を公開する展覧会を開催します。
可愛らしく華やかな絵と繊細な描写で多くの読者の心をときめかせた彼らの数々の名作の感動が「もうひとつの原画」=原画’(ダッシュ)で蘇ります。

監修者である竹宮惠子の作品を含む原画’(ダッシュ)約150点の他、関連雑誌や単行本なども展示します。期間中、ささやななえこの原画も一部原画’(ダッシュ)と並べて展示(入替あり)します!

出展作家紹介

原画’(ダッシュ)作品に新たに加わった4名の作家と本展監修者をご紹介します。

東浦美津夫の作品
東浦美津夫の作品
東浦美津夫の作品
東浦美津夫の作品

東浦美津夫

ひがしうら みつお Higashiura Mitsuo

東浦美津夫は、おもちゃデザイナーと紙芝居作家を経て、手塚治虫との交流をきっかけにマンガ家に転向し、1948年に発表した赤本単行本「月光の剣士」でデビューしました。赤本・貸本マンガの世界で活躍しつつ、1954年頃から『少女』や『少女クラブ』など少女マンガ誌にも進出しました。「キノコちゃん」、「お鈴ちゃん」など、東浦の描く少女のいきいきとした冒険活劇は多くの読者を魅了しました。2012年逝去。

飛鳥幸子の作品
飛鳥幸子の作品
飛鳥幸子の作品
飛鳥幸子の作品

飛鳥幸子

あすか さちこ Asuka Sachiko

飛鳥幸子は高校2年生の時、「100人めのボーイフレンド」で第4回講談社少年少女漫画賞に佳作入選し、1966年、同作品が『週刊少女フレンド』に掲載されデビューしました。「怪盗こうもり男爵」、「白いリーヌ」、「フレデリカの朝」などの作品を発表し、時代に先駆けたウィットに富んだスタイルが読者の熱い支持を受けました。その後、少女マンガ雑誌や学年誌での活躍を経て、1980年代からはイラストレーターへ転向し画業を続けています。

ささや ななえこの作品
ささや ななえこの作品
ささや ななえこの作品
ささや ななえこの作品

ささや ななえこ

Sasaya Nanaeko

ささやななえこは、1970年「かもめ―GULL―」を「ささやななえ」名義で『りぼんコミック』に発表しデビューしました。繊細な心理描写で知られており、ミステリーからコメディまで、その作風は幅広いです。自らの夫婦生活をモデルに描いた「おかめはちもく」は1990年に第19回日本漫画家協会賞を、児童虐待問題をテーマにした「凍りついた瞳」は2004年エイボン教育賞を受賞しました。1996年、「ささやななえこ」に改名。

忠津陽子の作品
忠津陽子の作品
忠津陽子の作品
忠津陽子の作品

忠津陽子

ただつ ようこ Tadatsu Yoko

忠津陽子は、1967年、『別冊マーガレット』にて「夏の日のコーラ」でデビューしました。テレビドラマとしても制作された「美人はいかが?」をはじめ、「お金ためます!」、「ハロー王子さま」、「結婚の条件」など、主に1970年代から80年代にかけて多数の人気作を発表したマンガ家です。近年はハーレクイン小説のコミカライズ作品にも関わるなど、活躍の場を広げています。

竹宮惠子の作品

原画’(ダッシュ) プロジェクトリーダー

竹宮惠子

たけみや けいこ Takemiya Keiko

1967年『COM』月例新人賞佳作入選を経て、翌年『週刊マーガレット増刊』掲載の「リンゴの罪」で本格デビュー。「花の24年組」の一人として新世代の少女マンガをリードし、1979年度に「風と木のウタ」、「地球テラへ…」での2作品で小学館漫画賞受賞。京都精華大学元学長。現在は日本マンガ学会会長と京都精華大学国際マンガ研究センターの顧問を務めています。

原画’(ダッシュ)について

原画’(ダッシュ)とは?

描線の濃淡や色彩の階調など微妙な細部まで再現し、原画と並べても見分けがつかない程の精度を持つ精巧な複製原画のことです。マンガ「風と木のウタ」「地球テラへ…」などの作者で、京都精華大学元学長の竹宮惠子が中心となり、京都精華大学国際マンガ研究センターと共同で研究を進めています。退色等劣化しやすいデリケートなマンガ原稿の保存と公開を両立させるために、「傷や汚れもそのままに原画の状態をアーカイブする」という理念の基に制作されているのが特徴です。2001年に始まった本プロジェクトは、2021年で20周年を迎えます。

他の複製原画との違いとは?

「現状の原画の持っている情報をそのままアーカイブすること」それが原画’(ダッシュ)の目的で、他の複製原画と大きく違うところです。他の複製原画では、傷や汚れは消し、色も鮮やかに補正することが多いのですが、原画’(ダッシュ)では、原画を直接スキャンし、原画の汚れや傷もそのままに、用紙のニュアンスや手塗りのムラをも可能な限り再現しています。それは、原画に残る傷ひとつも、時代背景や作家の仕事の裏舞台までも読み取ることのできる貴重な資料だと考えているからです。ただの「複製原画」ではなく、「もうひとつの原画」という意味で「原画’(ダッシュ)」と名付けられた理由もここにあります。

原画’(ダッシュ)はどんなときに役に立つか?

最近では、マンガは国内外問わず、ますます注目されるようになり、マンガの展覧会も増え、マンガの原画展も珍しいものではなくなりました。そんな中、心配されるのは、マンガ原稿の劣化や紛失です。マンガ原稿は、本来展示のために作られたものではないため、短期間の展示でも退色のおそれがあるデリケートなものです。
そこで、有効な手段として、原画’(ダッシュ)での展示が考えられます。原画’(ダッシュ)は、光や水にも強く、長期間での展示、場所を選ばない展示が可能です。紛失が危惧される海外からの展示要請にも、原画’(ダッシュ)なら、作家は安心して貸し出すことができます。

原画’(ダッシュ)ができるまで

原画’(ダッシュ)の制作は、原画を原寸サイズでスキャンすることから始まります。その後、画像処理ソフトを使って、原画とよく見比べながら色あいや質感の差を少しずつ縮めていきます。再現したものを原画と見比べながら、何度もテストプリントをして、精密な画質調整を重ねます。これらの作業は大日本印刷との共同研究で進められ、監修者の竹宮惠子により数回に及ぶ色確認が行われます。
色あいを調整していく手順や方法は、モノクロもしくはカラーなど作品によって様々ですが、基本的には、①原稿用紙の色→②肌や髪などの色→③そのほか細部、という順番で調整していきます。カラー原画の色ムラ、鉛筆で書かれたセリフ、モノクロ原稿のスクリーントーン、吹き出しに貼られた写植など、マンガ原稿ならではの特殊な部分の調整に手間がかかります。

カラー原画の色ムラの例
カラー原画の色ムラの例
吹き出しに貼られた写植の例
吹き出しに貼られた写植の例
鉛筆で書かれたセリフ
鉛筆で書かれたセリフ
モノクロ原稿のスクリーントーン
モノクロ原稿のスクリーントーン

原画’(ダッシュ)色確認の様子

監修者の竹宮惠子と制作チームが最低でも3回の色確認を行います。

原画’(ダッシュ)プロジェクトの担当者の1人である研究員のインタビュー

研究のベースになっている京都国際マンガミュージアムの紹介とともに、本プロジェクトの目的や意義などについて語ります。

※国際交流基金ニューデリーが主催した「Shojo Manga -An Introduction-」展のインタビュー映像です。(外部ページ)

竹宮惠子監修原画’(ダッシュ)20周年

原画’(ダッシュ)の歩み

原画’(ダッシュ)プロジェクトに参加した作家一覧
飛鳥幸子、あすなひろし、今村洋子、上田としこ、上原きみ子、おおやちき、花郁悠紀子、
北島洋子、ささやななえこ、佐藤史生、巴里夫、高橋真琴、忠津陽子、ちばてつや、
ながやす巧、西谷祥子、波津彬子、花村えい子、東浦美津夫、平田弘史、藤井千秋、
牧美也子、松本かつぢ、水野英子、村上もとか、わたなべまさこ (五十音順)
監修者
竹宮惠子

国内外における
原画’(ダッシュ)の活躍

原画と変わらない精度を持ちながらも長期間の展示に耐えられる
原画’(ダッシュ)は、日本と世界各国の展覧会で活躍しています。
国内外における原画’(ダッシュ)の活躍の一部を写真と動画でご覧ください。

「Shojo Manga! Girl Power!:What can shojo manga tell you?」展
2005-2007

「Shojo Manga! Girl Power! :
What can shojo manga tell you?」展

カルフォルニアのチコをはじめ、北米11ヶ所を巡回した本展には一部原画’(ダッシュ)が出展されました。その後、2008年、「少女マンガパワー!〜つよく・やさしく・うつくしく〜」展としてリニューアルし、日本全国4ヶ所を巡回しました。

「L’univers des mangas pour adolescentes」展
2012
フランス・パリ

ポンピドゥセンター

「L’univers des mangas pour adolescentes」展

日本の少女マンガの歴史について、原画’(ダッシュ)を通して周知することを目的に企画された展覧会。少女マンガを代表する14人の作家の原画’(ダッシュ)が出展されました。

「MANGAMANIA」展
2017
ドイツ

アウグストゥスブルク城

「MANGAMANIA」展

ドイツの歴史あるアウグストゥスブルク城が会場となり、マンガを中心に日本の大衆文化を幅広く紹介した本展では、原画’(ダッシュ)プロジェクト参加作家の一人であるわたなべまさこの原画’(ダッシュ)10点が展示されました。想像を超える絶大な人気により、当初企画した期間より展示期間が延長され、結果的には1年に渡る超長期展覧会になりました。長期展示にも耐えられる原画’(ダッシュ)の強みを遺憾なく発揮できた機会だったと言えます。

「原画’(ダッシュ)で見る 昭和の少女マンガ」展
2018
静岡県磐田市

香りの博物館

「原画’(ダッシュ)で見る
昭和の少女マンガ」展

「昭和の少女マンガ」をテーマに、9人のマンガ家の原画’(ダッシュ)約80点が展示されました。複数の作家の作品を一堂に集めることは簡単ではありませんが、原画’(ダッシュ)は京都精華大学国際マンガ研究センターと京都国際マンガミュージアムにより所蔵・管理されているため、このような展覧会も実現できました。

「L’univers du shojo manga」展
2019
フランス

アルザス地方

「L’univers du shojo manga」展

アルザス・欧州日本学研究所(CEEJA)の主催と、フランスのオー=ラン県議会の協力で開催された展覧会。約70点の原画’(ダッシュ)で構成されました。会場の一つになったオー=ラン県議会の議事堂は、一部太陽光が入ってくるなど、原画の展示には向いていない環境でしたが、原画’(ダッシュ)だからこそ、展示ができました。

「The Citi exhibition Manga」展
2019
イギリス・ロンドン

大英博物館

「The Citi exhibition Manga」展

日本以外の国で開かれたマンガの展覧会としては最大規模であることから、国内外で大きな話題を呼んだ本展にも原画’(ダッシュ)プロジェクトが取り上げられました。本プロジェクトの目的や意義の紹介とともに、原画’(ダッシュ)そのものも複数展示され、注目を集めました。

2020
インド・ニューデリー

「Shojo Manga -An Introduction-」展

国際交流基金の主催により、国際交流基金ニューデリー日本文化センターギャラリーで開催された本展は、全出展作品が原画’(ダッシュ)で構成されました。COVID-19により、インド全域がロックダウンされたことから、この展覧会も一時中止となりました。しかし、原画ではなく原画’(ダッシュ)が出展されたため、このような状況でも対応することができました。

こちらで紹介した例以外にも、原画’(ダッシュ)はこれまで数十回以上の展覧会やイベントで展示されました。出展のご相談については以下までご連絡ください。

京都精華大学国際マンガ研究センター

基本情報

竹宮惠子監修 原画’(ダッシュ)展示シリーズ

「もうひとつの原画」展東浦美津夫・飛鳥幸子・ささやななえこ・忠津陽子
会 場 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー1・2・3
(京都市中京区烏丸通御池上ル)
開館時間 10:00‐18:00 (最終入場は17:30)
休館日 毎週水曜、年末年始(2020年12月26日~2021年1月6日)、2月25日(木)、26日(金)、3月25日(木)、26日(金)
料 金
無料
※ただしミュージアム入場料
(大人900円/中高生400円/小学生200円)は別途必要
主 催 京都国際マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター
協 力 トランキライザープロダクト
問合先 京都国際マンガミュージアム 
Tel 075-254-7414 Fax 075-254-7424

Ticket チケット

日付指定
オンラインチケット購入のご案内

「もうひとつの原画」展のご観覧には、京都国際マンガミュージアムへの入館チケットが必要になります。当日ご来館いただきチケットのご購入も可能ですが、事前決済の日付指定件(オンラインチケット)を販売しています。本展開催期間中のオンラインチケットのご購入は入館料金の2割でご購入いただけます。以下のボタンよりご購入いただけますのでご利用ください。

ニュース

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