清水勲さん、ありがとうございました

みなさんは、マンガミュージアムの地下に、江戸時代の戯画浮世絵や明治・大正期の諷刺漫画雑誌など、今では手に入れることも難しい数千点のマンガ資料が保管されていることをご存知ですか?
これらを、今みなさんが読んでいる「マンガ」につながる貴重な歴史資料だと信じ、数十年をかけて、ひとりでコツコツ集めてこられたのが、マンガ史・諷刺画研究家の清水勲(しみず・いさお)さんです。

 

その清水さんが、2021年3月2日、81歳で永眠されました。

 

清水さんには、2006年のオープン以前から、ここ京都国際マンガミュージアムに深く関わっていただきました。 アーカイブ施設としてのマンガミュージアムの価値を高めるため、自分の子供のように大切にされていたマンガ資料をお譲りいただいただけでなく、研究顧問というお立場から、長年にわたって、研究機関としてのマンガミュージアムを支えてくださいました。

 

マンガミュージアムの3階・「研究閲覧室」の前に置かれている100冊ほどの本はすべて、清水さんが書かれた、マンガに関する研究書です。質量ともに前人未到の驚くべきバイタリティであり、現在のマンガ研究は、これらの研究成果や資料群がなければ、成り立っていないと言い切れます。
マンガミュージアムの「清水コレクション」から300点以上の資料が出展された企画展「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」の監修が、私たちとの最後の大きなお仕事になってしまいましたが、好評を博した同展は、現在も全国を巡回中です。

 

清水先生、おつかれさまでした。どうかゆっくりお休みください。

 

2021年3月9日
京都国際マンガミュージアム

 

 

清水勲(しみず・いさお、1939~2021)

東京都生まれ。出版社勤務を経て、著述業に入る。川崎市市民ミュージアム専門研究員、帝京平成大学教授などを歴任。日本マンガ学会理事、京都国際マンガミュージアム研究顧問も務めた。ジョルジュ・ビゴーの研究で高橋邦太郎賞(日仏文化賞)を、日本近代漫画の研究で日本マンガ家協会賞特別賞、文化庁メディア文化祭功労賞を受賞。

 

上段:2007年4月29日開催 えむえむ連続講座 第6回「サザエさんの正体――原作とアニメの“格差”」
下段:2015年9月25日開催 第7回国際学術会議シンポジウム「コミコロジー:理論と実践を絡み合わせる新《研究》」

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