研究員紹介

吉村和真(よしむら・かずま)

吉村和真(よしむら・かずま)

1971年、福岡県生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、京都精華大学マンガ学部准教授。専攻は思想史・まんが研究。「マンガを読む」ことは、いつごろ・どのようにして、日常的な行為となったのか。そして、そのことによって、マンガを当たり前のように読む人々=「マンガ読者」は、いったい、どのような思想や価値観、感性を身に付けてしまったのか。この二つの問いを柱として、主に明治時代から現在に至るマンガを素材に、思想史・マンガ研究を続けている。

主要業績一覧(2007年 10月現在)

著作

  • 共著:ジャクリーヌ・ベルント編『マン美研―マンガの美/学的な次元の諸接近』(醍醐書房、2002年)
    吉村和真「〈似顔絵〉の成立とまんが―顔を見ているのは誰か」94頁~131頁
    →写真の普及以前/以後を境にマンガ表現がどう変わったか、似顔絵の成立過程を追いながら考察。
  • 吉村和真・福間良明編著『「はだしのゲン」がいた風景―マンガ・戦争・記憶―』(梓出版社、2006年)
    吉村和真「『はだしのゲン』のインパクト―マンガの残酷描写をめぐる表現史的一考察」246頁~293頁
    →血や死体といった残酷描写を軸にマンガ史を追い、「はだしのゲン」の歴史的位置づけを明らかにした。
  • 共著:山田奨治編『文化としてのテレビ・コマーシャル』(世界思想社、2007年)53頁~71頁
    吉村和真「テレビ黎明期のCMアニメの実態―『TCJの歴史』コレクションを手がかりに」
    →日本初のCM専門制作会社TCJの作品データベースを用いて、1950年代のCMアニメの実態を検証。
  • 共著:葉口英子、河田学、ウスビ・サコ編『知のリテラシー◆文化』(ナカニシヤ書店、2007年)
    吉村和真「マンガ―その無自覚なまでの習得過程と影響力」
    →幼年誌・学年誌を素材に、マンガリテラシーの無自覚性とそれゆえの思想・感性的影響力の深さを考察。
  • 吉村和真・田中聡・表智之『差別と向き合うマンガたち』(臨川書店、2007年8月刊行予定)
    →「マンガの文法」が読者の思想や価値観に与える影響力を指摘しながら、偏見や差別について考える。
  • 共著:金水敏編『役割語研究の地平』(くろしお出版、2007年9月刊行予定)
    吉村和真「近代日本マンガの身体」111頁~122頁
    →「サイボーグ009」などを素材に、マンガの登場人物の顔と身体が思想史的に意味するところを検討。

論文・報告・エッセイなど

【論文】

  • 「歴史表象としての視覚的『日本人』像」
    子安宣邦責任編集『江戸の思想 特集・歴史の表象』第8号(ぺりかん社、1998年)127~146頁。
    →明治初期の風刺画を素材に、「国民」「人種」概念がどのように視覚化されたのかを思想史的に考察。
  • 「〈子供マンガ〉という境界―手塚治虫と"藤子不二雄"のあいだ―」
    『立命館言語文化研究』第11巻第2号(立命館国際言語文化研究所紀要、1999年)59頁~68頁。
    →近代に前景化される〈子供〉の存在を踏まえ、手塚と藤子における子供観の比較と作品分析を行った。
  • 「藤子不二雄―藤子・F・不二雄/藤子不二雄A」
    Lexikon der Comics[コミック事典](CORIAN-VERLAG、ドイツ、1999年、翻訳:ジャクリーヌ・ベルント)
    →二人の人生を追いつつ、戦後を代表する子供向け漫画家として彼らが大成した歴史的意味づけを行った。
  • 「〈超ゴーマニスト〉手塚治虫―『ゴーマニズム宣言』の位置―」
    『ビランジ』第5号(竹内オサム個人出版、1999年)29頁~49頁。
    →小林よしのりの同作品の文化史的位置付けを、手塚治虫のマンガ観・作品との比較を通じて行った。  
  • 「手塚治虫の『思想』―いま、語ることの意義と課題―」
    『立命館平和研究』第3号(立命館国際平和ミュージアム紀要、2002年)43頁~56頁。
    →手塚の作品と人生を時系列に対応・分析しながら、そこに込められた思想の特徴と現在的意義を浮き彫りとした。
  • 「鉄腕アトム」
    Lexikon der Comics<[コミック事典](CORIAN-VERLAG、ドイツ、2002年、翻訳:ジャクリーヌ・ベルント)
    →日本で有名な同作品の内容およびメディア論的考察を通じて、その相反するような読者との関係を考察。
  • 「マンガに見る聴覚情報の視覚的記録」※小松正史との共同研究
    『京都精華大学紀要』第26号(2004年、215~238頁)
    →マンガのオノマトペが読者の聴覚に与える影響を考察。
      音環境の観点による学生への実験を下地とした。

【論説】

  • 「語りかける手塚マンガ―「耳で聞く物語」としての魅力」
    『文藝別冊[総特集]手塚治虫』(河出書房新社、1999年)216頁~219頁。
  • 「方法としての「まんが研究」の模索―まんがと「学」の関係―」
    『日本思想史研究会会報』第17号(日本思想史研究会、1999年)32頁~41頁。
  • 「問いを持続するために―あとがきにかえて―」
    『立命館言語文化研究』第13巻1号(立命館大学国際言語文化研究所、2001年)177~182頁。
  • 「マンガにおける1970―〈記憶〉と〈歴史〉」
    『Diatxt.ダイアテキスト 特集・1970』第5号(京都芸術センター、2001年)28頁~33頁。
  • 「ゆるやかな繋留点を求めて―マンガを研究する立場から」
    『日本思想史研究会会報』20号(日本思想史研究会、2003年)321頁~328頁。
  • 「マンガとアカデミズムの出会い―日本マンガ学会―」
    『大学時報』295号(日本私立大学連盟、2004年3月)88~91頁。
  • 「なぜマンガについて研究するのか」
    花園大学学内報 2004年
  • 「マンガの音喩表現にみる聴覚情報の視覚的記録」
    『マンガ研究』8号第5回大会特集号(日本マンガ学会、2005年12月)26~30頁。
  • 「近代日本マンガの身体」※金水敏との共同研究
    『日本、もうひとつの顔』(阪大フォーラム2004委員会、2005年)187~198頁。

【コラム】

  • 「差別と向き合うマンガたち」
    部落問題研究所会報『人権と部落問題』連載、計14回担当。
  • 「マンガ50話」
    京都新聞、計13回担当
  • 「マンガ学の現場」
    時事通信社配信、全8回。
  • その他
    西日本新聞社、朝日新聞 関西版夕刊、日本マンガ学会PR誌など

【レビュー】

  • 「「マンガを論じる」側の環境」
    『木野評論 特集・あなたの知りたい韓国のすべて』第33号(京都精華大学情報館、2002年)
  • 書評項目:片寄みつぐ『戦後漫画思想史』/手塚治虫・石子順『手塚治虫 漫画の奥義』/
    鶴見俊輔『戦後日本の大衆文化史 1945-1980年』/米沢義博編『マンガ批評宣言』/
    竹内オサム『手塚治虫論』細萱敦編/ジャクリーヌ・ベルント監修『日本マンガを知るためのブック・ガイド』
    (アジアMANGA サミット実行委員会、2002年)
  • 「マンガと哲学の相性」(『ハロー!ドゥルーズ』書評集、東北大学文学会、2005年)

学会発表・講演

【学会発表】

  • 日本経済思想史学会大会(1997年、於 岡山大学)
    「現代マンガの思想史的一考察」
  • 国際児童文学会日本支部会(2005年3月31日、於 神戸女子学院大学)
    「「子ども」と「マンガ」の切れ目と結び目」
  • 日本マンガ学会大会(2005年6月18日、於 京都精華大学)
    「マンガの音喩表現にみる聴覚情報の視覚的記録」※小松正史との共同報告
  • 国際日本文化研究センター第28回国際研究集会
    「売る文化、売られた文化:テレビコマーシャルによる文化研究を探る」
    (2006年3月16日、於 国際日本文化研究センター)
    「テレビ黎明期のCMアニメの実態―ビデオコレクション「TCJの歴史」を手がかりに」
  • 日本アニメーション学会大会(2006年6月25日、於 沖縄県立芸術大学)
    個人報告「「鉄腕アトム」以前のテレビアニメたち―『TCJの歴史』データベースから」
  • 日本マンガ学会第6回大会(2006年7月2日、於 新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ)
    シンポジウム「見えないマンガ、語られないマンガ―invisible Manga―」
    第3部「パチンコ・パチスロマンガ」(パネリスト:末井昭、慶徳康雄、吉村和真、司会:呉智英)

【講演】

  • 手塚治虫展フォーラム(2001年に2回)
  • 大阪市スポーツ振興協会(2001年)
  • 河合塾(2001年)
  • 筑穂町成人式(2002年1月)
  • 東山高校(2002年3月)
  • 大津市女性センター(2004年7月)
  • 大阪住まいのミュージアム(2004年8月)
  • 堀川中学校(2005年3月)
  • 桃山中学校(2006年11月1日)
  • サントリー次世代研究所(2007年4月18日)
  • 立命館大学思想史研究会(2007年5月21日) ほか多数。

その他の活動

【企画運営】

  • シンポジウム「学術的まんが研究の可能性と課題―内と外との対話―」
    (2000年5月27~28日、於 立命館大学)
  • 「手塚治虫展―世紀をつなぐ作品とメッセージ―」
    (立命館大学国際平和ミュージアム特別展、2001年5月25日~6月15日)
  • 「これが著作権問題マンガだ!?展」
    (京都精華大学マンガ文化研究所 於 叡山閣ギャラリー 2003年3月~4月)
    ※このほか、京都精華大学表現研究機構マンガ文化研究所研究員、日本マンガ学会理事・事務局として、連続講座「マンガと教育を巡る諸問題」はじめ多数のイベントを企画・運営。

【対談・鼎談・座談会】

  • 「マンガに描かれる九州人―ウルトラQ州人」(鼎談相手:藤本由香里、米澤嘉博)
    『西日本新聞』2002年1月1日 ウルトラQ州人特集
  • シンポジウム「マンガの顔」 日本マンガ学会第2回総会 2002年6月 於 川崎市市民ミュージアム
  • 座談会「シリーズ「マンガのイメージ」について」
    『マンガ研究』3号(日本マンガ学会、2003年3月、137頁~151頁)
  • 「近代日本マンガの顔・身体とことば」(対談相手:金水敏)
    『Interface Humanities』3号(大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」研究開発委員会、2004年3月、3~13頁)
  • 座談会「ポピュラーカルチャー研究とこれからの大学」(伊藤公雄、吉村和真、金水敏、川村邦光)
    『イメージとしての〈日本〉05-海外における日本のポピュラーカルチャー受容と日本研究の現在―』
    (大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」報告書、2006年、245~264頁)。
    ※このほか、パネリスト、コメンテーターとして複数の座談会に参加。

【マスコミ・シンポジウム等出演】

  • 日本マンガ学会総会イベント(2002年6月)
  • 岡山放送「鉄腕アトム」コメンテーター(2003年4月)
  • 大阪大学COEパネリスト(2003年5月、9月、2004年9月)
  • 阪大フォーラム(2004年11月 於 フランス・ストラスブール大学)
  • 大阪大学COEワークショップ報告(2005年3月4日 於 オーストラリア・モナシュ大学)
  • 大阪大学COEコメンテーター(2004年12月21日)
  • ラジオ ニッポン放送(2005年2月)
  • ラジオ KBC(2005年3月2日)
  • 大阪大学COE座談会パネリスト(2005年6月25日)
  • テレビ朝日 ニュースインタビュー(2006年3月16日)
  • 座談会(吉村和真、南田勝也ほか)2006年9月
  • 座談会(伊藤公雄、杉本ジェシカ・バウエンス、吉村和真、金水敏、冨山一郎)2006年10月15日
  • ラジオ NHK大阪 旬の人時の人(2006年11月6日)
  • ラジオ 京都リビング「ワカバン!」(2006年11月20日)
  • ラジオ NHK全国放送 ラジオ深夜便(2007年 パーソナリティー 峯尾武男)
    ※このほか、複数の新聞・雑誌・インターネットにて多数インタビュー等を掲載。

【所属学会等】

  • 日本学術振興会特別研究員(1999年4月~2001年3月)
  • 日本史研究会総務委員(1997年11月~1999年10月)
  • 日本マンガ学会理事・事務局(2001年7月~現在 2007年度より事務局長)
  • 国際日本文化研究センター・CM共同研究員(山田奨治班)(2004年4月~2006年3月)
  • 日本アニメーション学会(2003年~現在)
  • 文部科学省オープン・リサーチ・センター調書「ミュージアムを活用したマンガの学際的総合的研究と研究成果の社会還元」作成(2006年1月提出、2006年4月~2011年3月実施予定)
  • 国土交通省「日本のアニメを活用した国際観光交流等の拡大による地域活性化調査」
    京都検討委員会委員(2006年10月2日~2007年3月31日)
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