夏のメイン企画展

バレエ・マンガ ~永遠なる美しさ~

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チラシイラスト:『アラベスク』
© 山岸凉子/メディアファクトリー

少女マンガは、戦後より一気に花開いた文化ですが、そうした中で、最も描かれたテーマの一つに「バレエ」があります。日本人が、「バレエ」と聞いて思い浮かべる「白いチュチュにトウシューズ」というイメージも、マンガによって広まり、定着したと言っても過言ではないでしょう。また、他の国と比べると日本では、バレエがお稽古ごととして定着し、鑑賞するより、自らが行うものとして独特な発展を遂げてきたと言えます。

本展は、バレエ・マンガを描いた代表的な作家12名の作品を中心にした展覧会です。原画を中心としたおよそ120点の額装品、当時の貴重な雑誌資料などが2会期に分けて公開されます。

少女マンガの発展とバレエとの関係、日本において実際のバレエ受容とマンガがいかにリンクしてきたかを垣間見るべく、バレエ・マンガの歴史を源流から現在まで時系列にたどっていきます。

また、兵庫県立芸術文化センターの薄井憲二バレエ・コレクションより借用したバレエにまつわる資料や、有馬龍子バレエ団・京都バレエ専門学校より実際の公演で使用した衣裳や公演映像なども同時に展示されます。

関連イベントも予定されていますので、合わせてお楽しみください。

期間

2013年7月13日(土)~9月23日(月・祝)

◇午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分)
◇休館日:水曜 ※ただし7/11(木)~9/3(火)は無休

■展示替 第一期:7月13日(土)~8月19日(月)
※8/19(月)は、展示入替えのため午後4時終了
第二期:8月20日(火)~9月23日(月・祝)
会場 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー1・2・3
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です

関連イベント

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「『ラ・シルフィード』を踊るマリー・タリオーニ」
所蔵:兵庫県立芸術文化センター
薄井憲二バレエ・ コレクション

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「りぼんのワルツ」© 牧美也子

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「ふたりのエリカ」© 北島洋子

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「アラベスク」(完全版)第1部2巻
© 山岸凉子/メディアファクトリー

  1. バレエ・マンガの源流(大正時代~昭和初期)

    日本にバレエが入ってきたのはいつだったのか。戦前日本のバレエ受容を探るとともに、バレエ・マンガの源流に迫ります。兵庫県立芸術文化センター所蔵の薄井憲二バレエ・コレクションより、古くは18世紀後半頃のロマンティック・バレエ時代から描かれてきたバレエにまつわる資料など、貴重な資料が展示されます。また、大正時代の少女雑誌、高畠華宵のバレエ抒情画のパネルなども展示されます。

  2. バレエ・マンガの創世期(1950~1970年代)

    戦後からすさまじい勢いで広がったバレエブームは、時期をほぼ同じくして少女マンガにも起こりました。当時のバレエブームを、少女マンガ誌やパネルなどでも紹介。また、1950~1970年代にいたるまで、バレエ作品で人気を博した高橋真琴、牧美也子、北島洋子、上原きみ子の原画も展示されます。

    出展作品例 高橋真琴「プチ・ラ」、牧美也子「マキの口笛」、北島洋子「ふたりのエリカ」、上原きみ子「まりちゃんシリーズ」など

  3. バレエ・マンガの変革期(1970年代)

    1971年連載開始の山岸凉子の「アラベスク」は、バレエの芸術性や身体表現に目を向け一石を投じたエポックメイキングな作品です。そんな作者のバレエ・マンガの魅力に注目します。

    出展作品例山岸凉子「アラベスク」「テレプシコーラ/舞姫」など

  4. バレエ・マンガの編成期(1970年代~現在)

    1970年代以降は、深遠なドラマとしてのバレエ・マンガが次々と誕生していきます。バレエ・マンガの進展を、有吉京子、萩尾望都、槇村さとる、水沢めぐみ、曽田正人の作品から探っていきます。

    出展作品例有吉京子「SWAN」、萩尾望都「フラワーフェスティバル」、槇村さとる「Do Da Dancin´ヴェネチア国際編」、水沢めぐみ「トウ・シューズ」、曽田正人「昴」など

  5. バレエ・マンガはどこへ行く?

    マンガ家達にとって、バレエとは一体何か?また、バレエはマンガの中で描き尽くされたものなのか?バレエ・マンガの今後について考えます。

    出展作品例水野英子「ルジマトフのバレエ画」、魔夜峰央「パタリロ!(『バレエ入門』『バレエあれこれ』)」など


関連イベント

オープニング講座&座談会
バレエ・マンガ展 外伝!

展覧会では言い尽くせなかったバレエについての解説や、また、バレエ・マンガの魅力を、バレエ・マンガ研究会メンバーにより、とことん語り尽くします。

日時 2013年7月13日(土)午後1時~4時
会場 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
出演 第一部 特別講座「描かれてきたバレエ」
講師・芳賀直子
第二部 座談会「バレエ・マンガの魅力」
出演・ヤマダトモコ、芳賀直子、小西優里、卯月もよ、岩下朋世
定員 50名(先着順)
参加方法 事前申込不要

トークショー
水沢めぐみトークショー「トウ・シューズとりぼん」

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「トウ・シューズ」© 水沢めぐみ/集英社

「トウ・シューズ」の作者である水沢めぐみ氏をおよびしたトークショー。自身でもバレエを習う水沢氏にバレエの魅力を語ってもらうとともに、「トウ・シューズ」の制作裏話、『りぼん』や『COOKIE』での執筆にまつわるお話などもうかがいます。

日時 2013年8月17日(土) 午後2時~4時
会場 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
定員 250名(先着順)
参加方法 事前申込不要
※当日午前10時よりミュージアム館内にて整理券を配布

トークショー
魔夜峰央トークショー「踊るギャグマンガ家」

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魔夜峰央提供

「パタリロ!」の作者で自身もバレエを習う魔夜峰央氏をおよびしたトークショー。 バレエのお話から、ご長寿ギャグマンガ「パタリロ!」のことまで幅広くお話いただきます。愛情出演には、妻で、山手バレエハウス主宰の山田芳美氏も。

日時 2013年8月18日(日) 午後2時~4時
会場 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
定員 250名(先着順)
参加方法 事前申込不要
※当日午前10時よりミュージアム館内にて整理券を配布

イベント終了後、サイン会開催

当日、ミュージアムショップにて魔夜峰央氏関連書籍、または、「バレエ・マンガ ~永遠なる美しさ~」図録をお買い上げの方、先着50名限定。

出張バレエ教室
はじめてのバレエ

京都国際マンガミュージアム内で,有馬龍子バレエ団/京都バレエ専門学校より出張バレエ教室を開催してもらいます。バレエ・マンガで馳せたバレエへの憧れを現実に体験してみませんか?

日時 2013年8月14日(水)
コース1:午後1時~2時【対象:初心者・小学生以下】
コース2:午後2時30分~3時30分【対象:初心者・大人(中学生以上)】
会場 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
定員 各回40名
参加方法

要事前申込

申込みフォーム、もしくは、FAXに参加者氏名(2名まで)、年齢、性別、連絡先(メールアドレスかFAX番号)を明記の上FAX(075-254-7424)まで送信してください。

※当日は動きやすい服装と靴でご参加ください。

申込締切 先着順 ※メールかFAXにて申込受付を連絡します。

ワークショップ
えむえむワークショップ「モビールをつくろう」

切り絵を行いながらバレエ-のポーズやポジションの基礎を学び、風や空気の流れでゆらゆらと踊るモビールをつくりましょう!また、バレエの足の基本ポジションを体験できる「足のポジションをやってみよう!」コーナーもあるので、初めての人も5つある足のポジション体験をしてみましょう!

●詳細はこちら

日時 2013年7月13日(土)~9月23日(月・祝)の土・日曜、祝日
7月20日(土)~8月25日(日)は毎日開催
①11:00~ ②13:00~ ③14:00~ ④15:00~ ⑤16:00~
※受付は各回10分前より会場にて行います。
会場 京都国際マンガミュージアム 1階 吹抜け
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
体験時間 約45分
定員

各回12名

参加方法 事前申込不要、当日会場にて受付

図録

図録「バレエ・マンガ ~永遠なる美しさ」(太田出版刊)を2,940円(税込)にて、当館ショップで販売。
他書店などでは手に入らないため、この機会にぜひお買い求めください。

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「東京~パリ」© 高橋真琴

高橋 真琴(たかはし まこと)

1934年、大阪府生まれ。1950年代半ばから赤本・貸本マンガで活躍後、1957年より『少女』にて「悲しみの浜辺」でデビュー。本作をはじめ、高橋のマンガ作品のほとんどが、「バレエ」をテーマにしている。キラキラ輝く星の瞳など独特の作風で、後進作家にも大きな影響を与えた。「プチ・ラ」終了の1962年以降は、マンガではなく、一枚画の世界に活躍の場を移し、現在では、年に2回開催の個展活動にも尽力している。

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「マキの口笛」© 牧美也子

牧 美也子(まき みやこ)

1935年、兵庫県生まれ。1957年、貸本単行本「母恋ワルツ」でデビュー。『りぼん』で連載された「マキの口笛」(1960)など、少女の憧れを凝縮したバレエシーンやファッションは、読者の圧倒的な支持を得た。同時期に発売開始した「リカちゃん人形」は、そうした人気ぶりを受けた玩具メーカーのタカラが、作者の少女画をモデルに作ったことでも有名。1960年代末頃からは大人向けのマンガも発表し、レディースコミックスの広がりにも貢献した。

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「ふたりのエリカ」© 北島洋子

北島 洋子(きたじま ようこ)

1943年、東京都生まれ。1961年、『少女クラブ』に発表した「氷の城」でデビュー。高校卒業後は、水野英子のアシスタントを経験しつつ、『週刊少女フレンド』などに寄稿。1960年代後半からは、学年誌などでも活躍し、「ふたりのエリカ」(1967)などバレエ・マンガも多数発表している。また、クラシックバレエの名作物語や、アンナ・パヴロワなど実在するダンサーの伝記を絵物語にするなど、バレエイラストもたびたび手がけている。

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「舞子の詩」© 上原きみ子

上原 きみ子(うえはら きみこ)

1946年、岐阜県生まれ。1965年、金田君子名義の貸本漫画「黒コスモスの花言葉」でデビュー。『週刊少女コミック』にて「ロリィの青春」(1973)や「炎のロマンス」(1975)などヒット作を生み出した後、80年代頃からは学年誌にも進出。「まりちゃんシリーズ」(1980)は10年続く人気シリーズとなった。1991年からは、『フォアミセス』で、産婦人科医を主人公とした「いのちの器」を現在も連載中。

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「アラベスク」(完全版)第1部1巻
© 山岸凉子/メディアファクトリー

山岸 凉子(やまぎし りょうこ)

1947年、北海道生まれ。1969年、『りぼんコミック』5月号に掲載の「レフトアンドライト」でデビュー。同年に上京し、1971年より連載された「アラベスク」で一躍人気作家に。以降は、バレエ以外にも、神話やホラー、エッセイなど幅広いジャンルに挑戦し、独自の作品世界を展開している。バレエものでは、1989年に「牧神の午後」、2000年には、『ダ・ヴィンチ』で、「テレプシコーラ/舞姫」などを発表している。

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「SWAN -白鳥-」© 有吉京子/平凡社

有吉 京子(ありよし きょうこ)

1950年、熊本県生まれ。1971年、『週刊マーガレット増刊号』に「仔ネコと少女」を発表し、デビュー。1976年に連載開始した「SWAN―白鳥」(1976)が人気を博し、以降、「ニジンスキー寓話」(1984)「アプローズ―喝采―」(1985)など、バレエをテーマとした作品を多数執筆。2005年からは、バレエの総合誌『SWAN MAGAZINE』にて、「まいあ SWAN act2」(2005)や「SWAN モスクワ編」(2010)なども描いている。

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「フラワー・フェスティバル」© 萩尾望都/小学館

萩尾 望都(はぎお もと)

1949年、福岡県生まれ。1969年、『なかよし』にて「ルルとミミ」でデビュー。『別冊少女コミック』などで発表した吸血鬼の少年を主人公にした「ポーの一族」(1972~1976)で人気を獲得した。バレエ・マンガは1988年~1992年に集中して描いており、この時期はバレエに関するエッセイも多い。代表作に「トーマの心臓」(1974)、「半神」(1984)、「残酷な神が支配する」(1992~2001)など。2012年、少女マンガ家として初の紫綬褒章を受章した。

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「Do Da Danciin'ヴェネチア国際編」
© 槇村さとる/集英社クリエイティブ

槇村 さとる(まきむら さとる)

1956年、東京都生まれ。1973年、『別冊マーガレット』にて「白い追憶」でデビュー。1978年に、フィギュアスケートをテーマにした初連載「愛のアランフェス」が大ヒット。以降。ジャズダンスを素材にした「ダンシング・ゼネレーション」(1982)も人気を博す。その後、活躍の場をヤングレディース誌に広げ、2001年に本格バレエもの「Do Da Dancin'」を発表。現在、『office YOU』にて、続編である「Do Da Dancin'ヴェネチア国際編」も連載している。

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「トウ・シューズ」© 水沢めぐみ/集英社

水沢 めぐみ(みずさわ めぐみ)

1963年、大阪府生まれ。1979年、『りぼん』にて「心にそっとささやいて」でデビュー。80~90年代、最高255万部を達成した『りぼん』の黄金期を支えた作家の一人。代表作に、「姫ちゃんのリボン」(1990)など。1997年には、同雑誌で「トウ・シューズ」を連載し、小中学生の読者にバレエへの憧れを抱かせた。自身も同時期よりバレエを習い始めたという。2000年からは、『Cookie』に活躍の場を移し、「キラキラ100%」(2003)、「寺ガール」(2012)なども発表。表現の幅を広げるも、普遍的少女マンガを描き続けている。

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「昴」© 曽田正人/小学館

曽田 正人(そだ まさひと)

1968年、東京都生まれ。1990年、『マガジンSPECIAL』にて「GET ROCK」でデビュー。1995年より『週刊少年サンデー』で連載された消防士の物語「め組の大吾」が大ヒットし、一躍有名作家に。2000年からは、『ビッグコミックスピリッツ』で、バレエ・マンガ『昴』の連載を開始。長期に渡るバレエ・マンガを青年誌上で連載したのは本作が初。2007年からは続編となる「MOON -昴 ソリチュードスタンディング-」も連載。同作は映画化もされた。

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「バラの精 ルジマトフに寄せて」©水野英子

水野 英子(みずの ひでこ)

1939年、山口県生まれ。中学時代に『漫画少年』に寄稿した作品が手塚治虫の目にとまり、1955年より『少女クラブ』に寄稿するようになる。「トキワ荘グループ」唯一の女性作家でもあり、石森(石ノ森)章太郎、赤塚不二夫と「U.マイア」の筆名で合作を発表したことも。1956年の本格デビュー以降はバレエ・マンガもいくつか執筆しており、いきいきとしたダンスシーンは、後進作家に影響を与えた。本人も無類のバレエ好きで、創作の原点だと語る。

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「パタリロ!『バレエ入門』」© 魔夜峰央/白泉社

魔夜 峰央(まや みねお)

1953年、新潟県生まれ。1973年、『デラックスマーガレット』にて、「見知らぬ訪問者」でデビュー。1978年に連載開始した「ラシャーヌ!」、「パタリロ!」でギャグマンガ家として境地を開く。「パタリロ!」は今も続く長期連載となり、単行本は90巻を達成。妻は、山手バレエハウス主宰の山田芳実。その影響から、大人になってからバレエを習い始め、バレエ教室の発表会では、男性ながら「瀕死の白鳥」も披露した。

※スケジュール・出演者・内容などについては変更の可能性があります。予めご了承ください。

-IMRC- 国際マンガ研究センター
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